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228事件責任帰属研究報告

CONTENTS

編集者のことば

序文

新書発表および座談会挨拶

第1 章 責任明確化は社会正義実現への第一歩

第2 章 事件の発生と台湾が被った痛手

第3 章 南京政策決定階級の責任

第4 章 台湾の軍政階級の責任

第5 章 事件に関係したその他の人々の責任

第6 章 228 事件虐殺行為の刑事責任

第7 章 結論

「228 事件責任帰属研究報告」新書発表及び座談会挨拶
陳水扁 総統

 

本日、私は「228 事件責任帰属研究報告」新書発表 座談会へ参加させていただき、深い感動を覚えました。 というのも、228 事件の責任所在問題は、過去の政府が敢 えて取り上げたり、触れたりしようとしなかった事柄だ からです。今日、研究グループによる地道な分析や研究 を経て、終にこの「228 事件責任帰属研究報告」が完成 し、人民の心中に秘められていた疑念が、少しずつ雲を 払いのけるように、陽の目を見ることとなりました。事 実の収集と理性的な討論を経て、真相が明らかになった ことで、みなが一歩ずつ歴史事件の真相を認識し、また 探求していくことができるのです。

 

 過去、台湾は権威主義体制の統治下にあり、歴史 の真相は往々にして当局のあの手この手によって隠蔽さ れ、はっきりとさせることは不可能でした。この間、様々 な論調がたびたび提起されました。228 事件を釈明する 上で、「王朝交代時は必ず虐殺事件が発生するのだから、 228 事件も理解出来る」だとか「第二次世界大戦終結後の 中国は混乱の中にあり、こうした事件は台湾だけで発生 したわけでは無いから許されるべき」だとかいう人々が います。しかし、これらの言い分は、全て統治者の立場 からなされているものであります。いずれにせよ、私たちは、228 事件の真相とその焦点を曖昧にさせるべきでな いのです。

 

 この「228 事件責任帰属研究報告」は、1992 年の行 政院による「228 事件研究報告」の後を引き継いだもの で、事件の責任所在を探求する上で最も代表的な研究と なっています。この本は、7 つの部分から成り、それぞ れ、事件発生とそれが台湾に与えた傷、南京の政策決定 者たちの責任、台湾軍政担当者たちの責任、及びにその 他の事件関係者の責任を探求しています。結論としては、 当時最高権力者であった「蒋介石が事件の元凶であり、 最大の責任を負うべきである」、「陳儀、柯遠芬、彭孟緝 等軍政人員が副次的責任を負うべきである」だとしてい ます。また、本書は刑法及び民法の観点による議論を掲 載し、228 事件の法律責任を改めて検証し、今後の228 責 任所在研究に新しい方向性を提供しています。

 

 国家が民主化する過程において、歴史的事件の全貌 を明らかにし、責任所在を明確に整理することは、更に 成熟した民主国家へ邁進するために通らなくてはならな い道なのです。真に成熟した民主国家の人民は、誠実に 歴史と向かい合う勇気を持たなくてはならず、歪曲され た歴史観によって自らを慰め、自らを欺くことがあって はなりません。

 

 私が党外運動に関わっていた当時は、やっと「228 公義平和運動」と称することができるだけであり、その 後、政府は少しずつ史料を公開したり、記念碑や記念館を建設したり、2 月28 日を国の休日にするなどの施策 を、今日までに一つずつ実現してきました。しかしタブ ーを取り除いていく過程で、台湾社会の歴史に対する反 省は十分なものとは言えず、中には真相を深く知ろうと せず、物事の是非を問わない曖昧な状況を受け入れる人 たちもいます。また社会の多くの人たちが、受難者の家 族はすでに金銭的補償を得ていると考えて、228 事件の歴 史的真相をより踏み込んで理解しようとしていません。

 

 228 事件の責任所在に関する核心問題は、こうした 情況の下に見落とされ、少しずつ忘れ去られました。過 去の権威主義的統治時代、国民党政府は反対者を逮捕し、 無数の冤罪事件を生み出しました。民衆は心中の怒りを 口に出すことが出来ませんでしたが、当時の厳しい時代 環境からすれば、人民が黙って怒りをこらえたのも、当 然理解することが出来ます。しかし、自由と民主の存す る今日、228 事件の真相と責任所在の問題が依然として見 落とされたままならば、正義の発展は望めません。私た ちはこのような状況が今後も続き、存在することを許す 訳にはいきません。私たちは民主立憲体制下、人権の核 心的価値を保障しなければならず、また、寛容と族群調 和という見せ掛けの下に事件の責任所在問題をおろそか にすることのないようにしなければなりません。

 

 すべての台湾人民にとって、228 事件は心の中での 永遠の痛みですが、まずは真相を明らかにすることで、 社会正義と相互信頼の基礎が構築が出来るでしょう。私 たちは歴史を正しく復元することによってのみ、そこから教訓を学ぶことが出来、また、土地や国家へのアイデ ンティティーを築くことが出来るのです。私は、歴史の 中から教訓を得てこそ、過去を乗り越え、真の自我を育 むことが出来、また深く探究し、ありのままの歴史と真 相を復元してこそ、社会の傷跡を癒し、正義が果たされ た穏やかな社会を築くことが出来ると信じています。

 

 私たちは一生、許しと寛容を学ぶのです。多くの事 柄において、真に寛容であってこそ、真に調和と平安が もたらされます。しかし、これは決して私たちが228 事 件の責任所在の問題を忘れるべきだということではあり ません。「正義」と「寛容」は相反するものではありませ ん。「正義」は社会の礎であり、法律はこの基礎を守るた めの道具の一つです。この新書の発表は、台湾の民主社 会が「正義」へ向けてさらなる一歩を踏み出したことを 示しています。最後になりますが、本著を完成させた研 究チームの皆さんへ感謝すると共に、改めてみなさんの 平安と幸せを心からお祈りいたします。

 

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